journal
試し織りをして上がってきた生地をたっぷり紹介したいと思います!
熱く語っちゃいます。自信作ですから。
今回作るのは多色(5色!)使いのコットンチェック生地。
たくさんの色を使いながら、どの色も飛び出すぎることなくまとめるのは至難の業。それをあえて選んだのは、だからこそこれまでになかった物になると思ったからです。
そしてチェックの開発ではじまったこのプロジェクトですが、実際に産地に行って現場で話していると色々なアイディアが生まれて、ラインナップが増えるという嬉しい誤算もありました。
今回作る事を目指すのは3種類!
【平織りのチェック】
【ストライプ】
【綾織りフランネルチェック】
手前味噌で恐縮ですが、どれも素晴らしいですね…
ほどよく色が混ざった落ち着いた配色に、鮮やかな青がアクセントで効いています。
ベージュやグレーなどの中間色も含まれているので、カジュアルな普段着にも合わせやすいはずです。
さて、それぞれについて詳しく説明していきますね。
ここからはじまったチェック、この配色を導きだすのには何度もシミュレーションをしました。
隣り合った色同士が、それぞれをどう引き立たせるのか、馴染むのか、アクセントの青はどれくらいの配分にしようか。
悩みながらも楽しく進めた結果、とても良いものになったことが嬉しいです。
これも、テキスタイルデザイナーであるKAJIHARA DESIGN STUDIOの坂井さん、平野さんのおかげです。開発の過程にご興味お持ちの方は、こちらの投稿もご覧いただければ幸いです。
織物のデザインは、感覚ではどうにもならない設計の世界。専門家にお願いして本当によかったです。
幅は約145cmですので、柄合わせのためにゆとりをもって使っていただくことができると思います。
そして新たに加わったのが、このストライプ。
織物は長〜く準備する経糸と、生地幅の距離を往復する緯糸でできています。
チェックを作るときには何色もの緯糸を通すのですが、それを無地(今回はグレー)にすると…!
大胆な構成のストライプに早変わり。
なんだか南欧の雰囲気(?)も感じる柄になって、これはこれでかっこいい…
クッションなんかにしてもよさそうですね。
生地幅、縦の柄の幅はチェックと同様です。
そしてそして!
古着のようなラフな質感と、肉厚でタフな雰囲気が素敵なフランネルも作る事ができそうです!
平織りのチェックと同じ糸を使いながらも、織っている途中に組織を変えて綾織りに。
起毛させる加工を施すことでこんなにも表情が変わるんです。
表面をひっかくことで起毛するのは主に緯糸のため、平織りのチェックよりも横に通る模様が目立つのも特徴。
加工によって少し縮んでいるので、こちらは幅が約135cm。柄も少しずつ細くなっています。
これらの自信作を本生産するために、CAMPFIREというクラウドファンディングのプラットフォームを使って皆様にご支援をお願いすることになります。
(CAMPFIREでなくても、個別にご連絡いただければ対応いたしますので、ご遠慮なくメールください!)
なにぶん潤沢な資金を持ち合わせていないブランド、事前に「この生地欲しい!」という方がたくさん集まって、みんなの生地として生産できるのが理想です。
ニッチな企てであることは承知の上ですが、そんなことに乗ってくれる皆様と、これまでだったら生まれることがなかった生地を世に送り出す事ができれば素敵だなと思っています。
プロジェクトのスタートは5月中旬ですが、すでにご興味おありの方はサンプルをお見せできますので、是非ご連絡ください!
今日はホーローシャツの内側、生地の仕入れの話をさせてください。
オーダーでは採寸ののちシャツのデザインを考えながら、たくさん(200〜300種類)の中から生地を選んでいきますが、それらの生地は常に在庫を持っているわけではありません。
オーダーをいただいた段階で、お付き合いいただいている生地問屋さんに発注して、一着作れる分の生地を卸していただくスタイルをとっています。
お客様にはたくさんの種類から選ぶ楽しさを味わっていただきたい!という考えを実現するのに、200種類を超える生地を常に持っておくことはこの規模ではできません。
そんな時に在庫を抱えてくれる問屋さんは本当にありがたい存在です。
しかし、べつにholo shirts.のためだけに生地を卸しているわけではなく、全国のオーダーシャツ屋さんやアパレルを相手に商売されているので、人気の生地や個性的なものは品切れしてしまうこともしばしば。
お客様にご提供したいときに生地が手に入らないという歯がゆい思いを経験してきました。
特に、生地の中でも難しいと感じているのが「チェック柄」です。
大好きなチェックなのですが、ギンガムチェックなどシンプルな柄はともかく、色数の多いチェックになると、そもそも「これだ!」という配色、風合いに出会う事がなかなかありません。
そして、仮に気に入ったものに出会ったとしても、買い占めない限りすぐに品切れに…
生地をデザインする上で、多くの色を使いながらも、どの色も飛び出すぎることなく上品にまとまった配色を考えるのは本当に大変な作業です。
普通のブランドであれば、個性的な柄を作ってもそれを不特定多数の人に一定期間で売らなければいけません。
人の好みも様々である中でその自信が持てるかどうか。
そして、たくさんの色を使えば使うほどコストも上がっていくという問題がおきます。そうやって、どんどん斬新で豊かなチェック柄が作られない理由が増えていくのです。
すでに申し上げたように人の好みも様々です。自分がいいと思ったものが万人受けするとは思いません。
でも、作らないことにはその柄は世に出ることはなく、作る事を皆が止めた時にファッションがつまらないものになってしまうと思います。
「たくさんの中から選ぶ楽しみ」が少しずつ失われてしまうと思うんです。
そうやってかっこいいチェックが生まれにくい状況があるのであれば
「自分で本当にいいと思うチェック柄の生地を作らなければ!」
そしてチェックの魅力を色々な方に紹介したいと思うようになりました。
そしてはじめた生地開発ですが、やはり多くのハードルが立ちはだかっていました。
まずはこのプロジェクトを立ち上げた理由でもある「コスト」。例えば、オリジナルで生地を50mだけ(といっても自分にとっては大量!)作りたいと思った時に、大体20万円くらい必要になることがわかりました。単純計算すると
20万÷50m=4000円/m
製造原価1メートル4000円という超高級生地ができあがります。でも見た目は量販店で買うシャツの生地とあまり変わらない。そんな不釣り合いなシャツを誰が欲しいでしょうか。でも、作る量が200m、400m、1000m、、となっていくと話が変わってきます。たくさん同じ物を作れば作るほど1mあたりの値段は安くなるのです。
でもここでまた問題が。
「そんなにたくさんの生地を一人で持っていても使い切れない!!」
たくさんの服を作って、たくさんのお店に卸す業態のブランドであれば解決する問題かもしれませんが、私のように小規模なオーダーという業態では、数100mもの生地を抱えることは到底叶わないことです。
そこで考えました。
量が抱えられないのであれば、「オリジナル」という特権も抱え込むのはやめようと。
「素敵な生地を世に送り出す」ということを優先するなら、この生地の良さに共感して「使いたい!」と思う方全員の物として開発したいと思う様になりました。
量産する前に、使いたい人や企業、使われる量がわかって、それがある程度の数量まとまるのであれば、「1mあたりの価格を抑えること」「在庫過多にならずに使い切ること」という課題をクリアすることができるかもしれない!
このプロジェクトが実現すれば、他の小規模な事業者でも同じやり方で思い切って生地の開発ができるかもしれない!!
そうすれば世の中にもっと素敵なかっこいい生地、そしてそれが使われた物が増えるかもしれない!!!
そんな風に夢が膨らんでいきました。
そうして出来上がった生地のご紹介はまたの投稿で。
自信作です。
今回のDMも素晴らしい絵を使わせてもらうことができました。
ササキエイコさんの絵と出会ったのは本当に偶然。
お目当ての雑誌を探しに吉祥寺の古本屋「百年」に行ったところ、ちょうどやっていた展示がササキさんのものでした。
描き下ろしていただいたこの絵が、5月に開催する関西での受注会DMとして、たくさんの方の元に届く事を願っております。
そして今回のデザインは、Su-の角谷さんにお願いしました!スススッと良い案をご提案いただいて本当に助かりました。
あ、肝心の受注会情報は下記の通りです!
大阪 SHELF
5月19日(金)20日(土) OPEN : 11:00-19:00
大阪市中央区内本町2-1-2 梅本ビル3F
TEL:06-6355-4783
http://www.shelf-keybridge.com/
奈良 空櫁
5月21日(日)22日(月) OPEN : 11:00-18:00
奈良県奈良市高畑町1445-1
http://soramitsu.com/
シャツのフルオーダーは、ご予約優先でご案内いたします。ご希望のご来店日時をinfo@holoshirts.comまたは各会場までお知らせください。
お一人一時間の枠をご案内いたしますので、じっくり(でも意外と短い!)理想のシャツを探っていきましょう!
いきなりですが、5月の受注会の予定をお知らせします!
大阪 SHELF
5月19日(金)20日(土) OPEN : 11:00-19:00
大阪市中央区内本町2-1-2 梅本ビル3F
TEL:06-6355-4783
http://www.shelf-keybridge.com/
奈良 空櫁
5月21日(日)22日(月) OPEN : 11:00-18:00
奈良県奈良市高畑町1445-1
http://soramitsu.com/
東京 hako gallery 2F(NEW!!)
5月26日(金)13:00〜20:00
27日(土)28日(日)11:00〜19:00
東京都渋谷区西原3丁目1-4
TEL : 03-5453-5321
http://hakogallery.jp/
東京 Roundabout(NEW!!)
5月25日(木)〜6月12日(月) OPEN : 12:00〜20:00 火曜定休
東京都渋谷区上原3-7-12-B1
TEL : 03-6407-8892
http://roundabout.to/
以前から決まっていた関西での受注会に加え、東京は代々木上原の2会場での受注会が決定しました!
代々木上原では会期が重なっているので「あれ?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
2会場それぞれ全く違う内容の受注会となる予定です。
まずはhako gallery。
こちらでは、いつものシャツのフルオーダーを承るのに加え、開発中のオリジナル生地の展示を行います。
シャツのフルオーダーはご予約優先でご案内いたしますので、ご希望のご来店日時をinfo@holoshirts.comまでお知らせください。
生地の展示は、制作過程や産地のことなどを実物と写真で見ていただく内容となっています。
これはなるべく多くの方に見ていただきたいと思っていますので、お誘い合わせの上お気軽にお越し下さい!
そしてroundaboutでは、試着と生地選びだけでオーダーいただける「シャツ屋のTシャツ」を展示します。夏直前のタイミング、盛夏の準備ラストスパートを是非しにいらしてください!
新しい試みとしては、roundaboutの皆様と相談しながら開発している「XL」サイズをこのタイミングで追加する予定です。
選べるサイズが5つ(XS、S、M、L、XL)になることで、男性のオプションが増えるはずですのでお楽しみに!
会期は約2週間(火曜定休)ありますので、ご都合の良いタイミングで見に来ていただければ幸いです。
窪田の在廊日はまた改めてお知らせいたします。
それでは、どこかの会場でお会いできるのを楽しみにしています!
先日、山梨県の富士吉田市に出張してきました。
生地を作る際には、選んだ糸の組み合わせによる色がどう出るのかなどを確認するための「試織」というステップがありますが、今回はその様子を確認させてもらいに行ってきました。
今回生地の生産をお願いしたのは「前田源商店」。オーガニックコットンを使った織物を得意とする会社で、今年で創業から96年!
織り進められる生地を見ながらお話していると、予定していなかった様々なアイディアが浮かんできます。月並みな言い方ですが、やっぱり物事は現場で生まれます。
予定していたチェックに加え、その経糸を活かした大胆なストライプ、組織を変えて毛羽立たせる事で生まれるフランネルもラインナップに加える事ができるかもしれません。
こうやって、せっかく準備した経糸をフルに活かして、様々な種類の生地を作っていくというのは知っておくべき知恵ですね。
そして、織り進められている生地がこれ!
いいでしょ…
素晴らしいでしょ…!
めちゃめちゃかっこいいでしょ!!
自画自賛が過ぎますが、シミュレーションしたイメージがうまく表現されていて、単純に欲しい!と思いました。
この落ち着いた配色のシャツなら、大人の方がジーンズやチノパンなどのカジュアルな服と合わせてもしっくりきそうです。シャツワンピースなんかでざっくり着てもかっこいいだろうな…
ある程度の厚みもあるので、裏地を付けたりしてバッグや帽子などにも使えそうです。
この試織した生地が完成したら、サンプルのシャツを作ったりしながらクラウドファンディング立ち上げの準備に入ります。
「この生地で何か作りたいから欲しい!」「この生地でシャツをオーダーしたい!」という皆様の支援を募集することになりますので、5月中旬の立ち上がりをご期待ください。
そもそも何でクラウドファンディングを使わなければならないのか、その背景はまた改めてここに記したいと思います。
最後は「機神様」にお参りして帰ってきました。
素晴らしい生地が、これからも日本から生まれ続けますように。